国際金融システム再建には資本移動規制など検討必要=日銀総裁

日銀の黒田東彦総裁は29日午前、日銀本店で開催された
国際会議で講演し、世界経済は金融危機から5年を経ても
「なおその影響から完全には抜け出せずにいる」と指摘した。

国際金融システム再建に向けては「資本移動規制と
金融規制・金融機関監督との2つの課題を検討する
必要がある」と語った。

黒田総裁は、金融システム再建にあたっては
「自由な資本移動と金融の安定、及び国家単位の
金融規制・監督の3つを同時に達成することは
できない」との「国際金融のトリレンマ」が
議論の出発点になるとの見解を述べた。

トリレンマの制約のもと、新たな国際金融システムを
築くのは「容易ではない」とし、「頑健と考えられる
国際金融システムも、金融危機は予想できない形で
起こり得るため、永久に存続する可能性は低い」とも述べた。