落ち着きどころを模索か

今週の為替相場は、落ち着きどころを
模索する展開か。

アベノミクス第三弾が不評となったことをきっかけに、
円買いが強まり、円は一時対ドルで95円前後に上昇しました。

その後、発表された米雇用統計で、非農業部門の新規雇用が
予想を上回ったことから、ドルが買い戻される動きとなりました。

ただ、ドルの戻りも鈍く、材料次第で乱高下が予想されます。

この中、注目されるのは、円相場の水準に対する経済界の反応です。

政府は、可能な限り円安に持って行きたい意向のようです。

円安にすれば、全てが解決するという、短絡的な思考のようです。

安部首相、麻生財務相、黒田日銀総裁の組み合わせだから
仕方ないことなのかも知れません。

円安、株高なら、何でも解決すると考えている人たちだから、
円安が絶対の真理のようです。

しかし、経済界の中には円安に異論を唱える声が出てきました。

野放図な円安に対して、反対の姿勢を示しているのはもちろん、
100円台の円安にも、違和感を指摘しています。

総じて見れば、85〜95円程度が望ましいとする見解を示しています。

これは、輸出業者の競争力からみて、この程度の円相場の水準は
許容範囲と見られている模様です。

むしろ、急速な円安の進行で、輸入業者や中小企業が受ける
ダメージの方が強く、今は円安対策が必要であることを強調しています。

日本は、円高に対する耐性はあるのですが、円安にも対する耐性は
想像以上に脆弱だったことを経済界の要人が指摘しているのです。

こうした展開は、安部首相は予想もしなかったと思っています。

円安、株高で全ての問題が解決すると考えていたのに、
円安が企業の経営を脅かすとは、想定の範囲外だったのでしょう。

安部首相の取り巻きの経済学者も、それには気が付かなかったようです。

こうした経済界からの発言を見ると、
円安にも限度があることを改めて思います。

予想レンジは、
ドル円が93.20〜100.20円、
ユーロ円が123.20〜133.20円、
英ポンド円が146.20〜154.29円、
ドル円が87.20〜94.20円。