日韓通貨スワップの一部延長見送り、期限きたため=麻生財務相

麻生太郎財務相は25日午前の閣議後会見で、
緊急時に通貨を融通し合う通貨スワップ協定
一部を延長しないことで韓国と合意したことについて
「期限がきたから。向こうから要請もなかった」と、
その背景を説明した。

日本の財務省と韓国銀行(中央銀行)は24日、
7月3日に期限を迎える30億ドル規模の
通貨スワップ協定を延長しないことで合意したと発表。

見送り後の枠組みは総額100億ドルへ減額された。

財務相は「韓国から何回か、これまでスワップ
要請があり、要請に応じて応えてきた。今回は要請が
なかったから。それだけ」と述べた。

企業の設備投資にも言及。

「設備投資をした時に市中銀行からお金を
借りてまでやるかが、マネーサプライが
増えるか増えないか(を左右する)一番の問題。
金融をいくら緩めても、マネタリーボンドに
お金がたまって、マネーサプライまでお金が
いかないとなれば、なかなか金融緩和の効果は
出てこない」との考えを示した。

財務相は、企業が設備投資に踏み切らない理由を、
内部留保の多さや以前の貸し渋りなどにあると分析。

「基本的なところは変わらない。今の段階でどうするかは、
景気が良くなってくるのを見て判断するのではないか」と見通した。

その上で「間違いなく一番大事なことは、デフレが終わって、
インフレに向かうとの確信が出てくるか来ないか。需要が出るか
出ないかと密接に関係する」とも述べた。

与党が都議選で勝利し、参院選でも優勢との見方が
広がりつつあることにも「今回、勝ったからといって、
これがそのまま参院選にいくほど選挙は甘くない」と指摘。

さらに「アベノミクスの雰囲気、景気良くなったというのは、
東京都などに近いところはそういう雰囲気が出ていると思うが、
地方にそんな雰囲気はまだ」だと述べ、設備投資が活発化するには
時間を要するとの見方を示した。

24日に初会合を開いた政府税調については「中長期的な問題を
議論してもらうのが大切」と表明。

2020年度の基礎的財政収支の黒字化目標は
「基本的に中長期的な話だから、党でもやるが、
当然政府でもしてもらうことになる」とした。