ECBは緩和的スタンスなお必要、出口遠い=ドラギ総裁

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は25日、
ECBにとって緩和的な金融政策が依然として
適切だとし、出口はなお遠いとの認識を示した。

ベルリンでの講演で、ECBの金融政策について
「物価安定は確保されており、全体的な経済見通しから
緩和的なスタンスが依然として正当化される」とし、
「インフレ率が低く、失業は高水準であることから、
出口はなお遠い」と述べた。

総裁は講演原稿で、ユーロ圏経済をめぐる見通しに
安定化の兆しが若干見られるとしながら、
不透明感も残ると指摘。

緩和的な政策スタンスがなお必要とした上で、
「金融政策による刺激と金融市場の改善が
今年これ以降の回復を支える」との見方を示した。

ドラギ総裁はECBが昨年発表した債券買い入れ
プログラム(OMT)についても、ユーロ圏の
安定化に寄与したとして正当性を主張。

世界の他地域で金融政策変更の可能性が浮上し
不透明感が漂う中、OMTは一段と重要性を
増しているとの立場を示した。

米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小計画を
念頭に置いた発言とみられる。

OMTの発動には政府が改革を
約束することが必要とも強調した。

金融政策は危機克服に向けた政策課題全体の
ごく一部に過ぎないとし、構造改革や成長に資する
財政健全化政策を推し進めると同時に、欧州銀行同盟の
実現に向け前進するよう各国政府に促した。

さらに、OMTはユーロ圏崩壊のリスクを低下させる
といった形でドイツなどユーロ圏中核国にも
恩恵をもたらしたと指摘した。