ユーロ圏国債利回り上昇、当面リスクにならず=当局者

一部ユーロ加盟国の債務管理責任者は25日、
米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小観測による
自国の国債利回りに上昇ついて、債務返済能力を
直ちに脅かすことはないとの認識を示した。

バーナンキFRB議長が前週、経済の改善が
維持されれば年内に資産買い入れ規模を
縮小する用意があると表明したことを受け、
世界的に株式や債券相場が下落した。

数年ぶり低水準となっていたユーロ圏国債利回りも上昇し、
一段と上昇すれば、特に南欧の重債務国の債務返済能力に
悪影響が出る可能性があるとの見方が出ている。

しかしこの日のユーロマネーの会議で、イタリア、
スペインなどの当局者はこういった見方を否定した。

イタリア財務省の債務管理責任者を務めるマリア・カンナタ氏は、
国債の独連邦債に対する利回り格差は「(量的緩和縮小をめぐる)
バーナンキFRB議長の発言以前の水準」に戻る可能性があると指摘。

イタリア債務の持続可能性を懸念していないと述べ、
同国長期債に対する海外投資家の関心は戻っている
との認識を示した。

同氏は「現在の利回りは3月末の水準と同じだ。
10年債(価格)は4月から5月にかけての
上昇分を失ったが、利回りについては
完全に許容範囲だ」と語った。

フランス、スペイン、ベルギーの債務管理当局者も
カンナタ氏と同様の見解を示した。

ただベルギー債務管理部門のディレクター、
アン・ルクレルク氏はユーロ圏の弱い経済成長に
懸念を表明。

ある時点で金利上昇に歯止めがかかるよう、
欧州中央銀行(ECB)が何らかの措置を
講じることを期待する意向を示した。