オーストラリアの与党党首選、ラッド前首相が勝利

26日実施されたオーストラリア与党・労働党の党首選で、
ラッド前首相がギラード現首相に勝利した。

ラッド前首相は3年前、当時のギラード副首相に
退陣に追い込まれた経緯があり、劇的な返り咲きとなった。

ラッド前首相の得票数は57票、
ギラード首相は45票だった。

党首選前、敗者は政界を去るべきと主張していた
ギラード首相は約束を堅持し、辞任を発表した。

支持率の低下にあえぐ労働党はラッド前首相を
党首に据えることで、9月14日に予定されている
総選挙で劣勢挽回を狙う。

最近の世論調査によると、総選挙では労働党
(議会150議席中)35議席を失い、
惨敗することが予想されていた。

ただ、オーストラリア国立大学のジョン・ワナ政治学教授は、
トップ交代が裏目に出る可能性があるとし、「労働党は墓穴を
掘った。有利に働くとは思わない」と述べた。

ラッド前首相は記者団に対し「オーストラリア国民は2007年、
私を首相に選出した。慎んで、敬意かつ目的意識をもって、
その責務を今日再開する」と語った。

総選挙を前倒しで実施するか、ハングパーラメント
過半数を獲得した政党がない状態)となっている議会で
支持獲得を目指すかは明確にしなかった。

ギラード首相のもと、
オーストラリア経済は底堅く推移。

失業率や金利も低水準にとどまっている。

ギラード首相は社会保障や教育の分野でも
改革を進めてきたものの、国民の人気を
獲得するには至らず、支持率は低迷を続けていた。

また、公約に反し炭素税を導入したことは、
支持率低下に拍車をかけた。