英銀行、急激な世界金利の上昇に影響を受ける可能性=英中銀

イングランド銀行(英中央銀行)金融監督委員会(FPC)は26日、
半期に一度の金融安定報告書を発表し、国内銀行と
その貸し出し先は世界の金利が急激に上昇した場合に
影響を受けやすい可能性があると警告した。

銀行による資本の積み増しが再び
必要になる可能性についても言及した。

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が先週、
資産の買い入れを年内に縮小するという見通しを示して以来、
世界の債券市場では利回りが急上昇している。

英中銀のタッカー副総裁は記者団に対し、「この2週間に
起った調整の激しさは、過去数カ月にわたる高金利追求の
動きがいかに大きかったかを示している。金融システム内に
その安定性を脅かす脆弱な部分がないか当局が突き止める
必要性も明示している」と述べた。

英中銀は国内金融機関と借り手の金利上昇に対する
脆弱性について調査するように指示した。

FPCは9月までに結果を報告する予定。

FPCは金融安定報告書で「金融機関と市場は共に
世界の金利の急激な上昇に影響を受けやすく、
国内には依然多額の負債がある借り手もいるため、
銀行に損失が発生する可能性がある」と指摘した。

「資本によって金利リスクからの
一定の守りができる」と指摘している。

FPCは、融資の焦げつきだけでなく、高い金利によって
銀行の資金調達コストも上昇する可能性があり、銀行が
保有する資産の約40%は、金利が急上昇した場合は
すぐに再評価される必要があると指摘した。

英中銀の金利政策についてタッカー副総裁は、利上げは
差し迫っていないと語り、英国景気が「脱出速度」に
達した場合に初めて利上げが起こるだろうと述べた。

FPCはまた、国内銀行はショックに備えて保有している
短期の現金を減らすことができるとし、融資に回すように
促した。

タッカー副総裁によると、需要いかんでは
最大700億ポンドの新たな信用の供与が可能になる。