FRBと市場との対話、改善している=米リッチモンド地区連銀総裁

リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は26日、
連邦準備理事会(FRB)と市場との対話が一時
上手くいっていない状況に陥っていたが、今は、
市場の認識とFRBのメッセージの同期が
とれてきている、との認識を示した。

FRB量的緩和に反対し続けているタカ派のラッカー総裁は、
FRB量的緩和措置が期限を設けられていないことから、
終了の話をするのは常に困難が伴うと指摘。

FRBが資産買い入れをいつまで続けるか、という予想面で
市場はわれわれより幾分先行していた。今は、
連邦公開市場委員会FOMC)の予想により合致してきた
と思う」とブルームバーグテレビのインタビューで語った。

バーンナンキ議長がFOMC後の会見で、量的緩和
縮小シナリオを示したことで、世界の市場が動揺した。

市場の反応について、ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁は、
ラッカー総裁と異なる認識を持っている。

コチャラコタ総裁はCNBCテレビで「(会見後の)市場の
反応は個人的に想定していた以上に桁外れなものだった」
と語った。

コチャラコタ総裁は24日、FRBが利上げの必要性に関し、
よりタカ派になったと考えるのは誤りとの見解を示している。

ラッカー総裁もコチャラコタ総裁も
今年のFOMCでは投票権を有しない。

バーナンキ議長の記者会見については、金融政策の
運営方針に関する説明がかえって投資家を混乱させた
との批判もある。

5月初めに1.65%付近だった米10年債利回りは、
議長が初めて緩和縮小に言及した5月22日、
FOMC後の議長会見があった6月19日に
それぞれ跳ね上がった。
26日終盤で2.55%付近となっている。

ラッカー総裁は、市場との対話で問題があったことを
認めたものの、バーナンキ議長は金融政策の今後に関する
政策担当者の見解をきちんと説明したと主張した。

ラッカー総裁は「過去2カ月ほどは、FRBにとって
(市場との)コミュニケーションがとりにくい
状況になっていた」、「今回、われわれは
コミュニケーションに関する新たな謎を解く
必要に迫られた」と振り返った上で、
状況は改善したとの見方を示した。