G20、市場の一段の波乱を想定すべき=ロシア

20カ国・地域(G20)会合の議長国ロシアの
首脳個人代表(シェルパ)を務めるクセニア・
ユダエワ氏は17日、ロイターとのインタビューで、
米経済が回復し米連邦準備理事会(FRB)が
金融緩和政策を縮小する環境が整いつつあるが、
G20は市場の一段の波乱を想定すべきとの認識を示した。

インタビューは、バーナンキFRB
議長の議会証言後に行われた。

ユダエワ氏は「つい最近起こった一連のイベントは、
今後必ずしもボラティティが低下するわけでない
ということを証明した。恐らく、かなりの(ボラティティ)が
みられるだろう。われわれはそれに備えるべきだ」と述べた。

5月、バーナンキ議長が初めて緩和縮小に言及し、
世界の金融市場は動揺した。

ユダエワ氏は、市場は新たな現実に対し調整するもので、
1980年代の中南米債務危機や1997年のアジア危機が
そうだったように、たとえ一貫したメッセージが
発信されていても不安定になる可能性があると指摘。

「一貫した明快なメッセージを送ることは重要だが、
それでボラティリティがなくなるわけでない。
ボラティリティを少しは抑えることができるだろうが、
解消することはできない」と述べた。

今週19〜20日の2日間、モスクワで開催される
G20財務相中央銀行総裁会議について、ユダエワ氏は、
中国が景気減速や金融セクターの緊張にどう対応するか
明確な情報を得たいとし「中国がさらなる情報を
提供してくれると良い」と期待を示した。

ワシントンから戻ったばかりのユダエワ氏によると、
米政府当局者は、G20諸国に財政健全化に向けた
確固なコミットメントを求めることに、
引き続き反対している。

米国にとってより重要な問題は、欧州、及び欧州最大の
経済国であるドイツが低迷する経済を立て直す措置を
とることだという。

ユダエワ氏は「米国の立場は、柔軟な中期的財政目標に反対。
主な要求は、欧州が需要を刺激する措置を講じることだ」
と語った。