カナダ中銀、政策金利を1%に据え置き
カナダ銀行(中央銀行)は17日、
政策金利である翌日物金利を1%に据え置いた。
経済の弛み、低インフレ、家計債務の統制を
条件に政策金利を据え置く方針を示す一方、
次の動きは利下げよりも利上げになることを示唆した。
この日はポロズ新総裁を迎えての初会合となった。
声明は、カーニー前総裁の下で
使用した文言を概ね踏襲した。
一方で、金利据え置きの継続が3つの条件に
左右されることを一段と明確化した。
「国内経済にかなりの弛みが存在し、インフレ見通しが
抑制され、家計部門の不均衡の動向が建設的に
進展し続ける限り、現在実施されている著しい金融刺激は
引き続き適切となる」と説明。
「時間の経過に従ってこれら条件の正常化が進むにつれ、
2%のインフレ目標の実現と整合をとりながら政策金利も
徐々に正常化されると予想する」としている。
利上げの引き金となる具体的な基準値などは示さなかった。
前回までの声明との主な相違点は「カナダドルの
根強い強さ」との文言が削除されたことで、
これは4月の金融政策報告以降、カナダドルが
下落したことを反映している。
第2・四半期の成長見通しを従来の1.8%から
1%に大幅に引き下げ、アルバータ州の洪水被害や
ケベック州の建設労働者によるストライキの影響を
主な要因として挙げた。
一方で第3・四半期の成長見通しを
従来の2.3%から3.8%に引き上げた。
2四半期併せると引き上げが引き下げを上回るため、
両四半期の動向は中銀の政策の選択肢には影響しない
との立場を示した。
今年通年の成長率は1.8%になると予想。
従来は1.5%だった。
2014年と2015年予想は
ともに2.7%としている。
経済が再び完全稼動に達し、インフレが2%の
目標水準に上昇するのは2015年半ばになるとし、
これまでの見解を維持した。