一進一退か

今週の為替相場は、一進一退推移が予想されます。

日本では、参議院選挙の結果が気掛かりです。

予想では、自民党の圧勝が見込まれています。

この圧勝度合いが問題になります。

あまりにも自民党が勝ち過ぎると、憲法9条を
改正する動きが強まる可能性があります。

安倍内閣が誕生してから、戦後レジームからの脱却と
称して、日本の戦争責任の回避を主張しています。

戦後体制を変える動きがさらに強まると、中国、
韓国との軋轢が、米国などの連合国との対立に
拡大することが懸念されます。

かつての日本は、経済面で力強い存在でしたが、
米国に次ぐ存在として世界経済を牽引してきました。

それが今は、まだ世界経済に対する影響度は強いのに、
自信をすっかり喪失している感じです。

その中で、安部政権が誕生してから、
政治的に自主性を持とうとしています。

連合国が戦争に勝利して決めたことを
否定することに懸命になっています。

あの戦争は間違えてなかったという議論が
日本国内で強まっていることに、米国も
不信感を露にしています。

こうした日本の自主性が強まる傾向となれば、
世界経済における日本の立場を危うくするものと思います。

これは、株価や円相場、債券相場に悪影響を与えると思います。

日本売りが、こうした場合に出てくるのだと考えています。

日本が今の世界体制から弾き出される可能性があるわけです。

中国や韓国が国際社会で、強力な反日キャンペーンを行っています。

これは巧妙な反日キャンペーンです。

「男は黙って…」何て格好をつけている日本人の思惑を
遥かに越えて、日本の正義が通らない社会になっています。

中国や韓国の反日宣伝が効果を奏していることで、
日本は中国や韓国から島を奪った海賊国家と
見られている可能性があります。

それが世界から認識されるようなことがあれば、
日本つま弾きの動きが強まる可能性があると思うのです。

その時が遠くない将来に起こる可能性は否定できません。

日本の国際社会における弱体化が、日本の金融市場の
混乱に繋がる可能性が出てきました。

米国では、バーナンキFRB議長発言で、
混乱しましたが、今は落ち着きを取り戻しています。

早期の金融緩和解消観測がとりあえずは打ち消されましたが、
市場は年内には金融緩和は縮小されると予測しています。

FRBが何を言おうと、金融緩和は縮小されると見ています。

市場は、その筋書きに沿って動いています。

ドルは底堅く推移し、長期金利は上昇傾向、株価は
米景気の回復を見込んで上昇を継続中です。

米経済に対する安心感が、米国の
金融市場を底堅くさせているのです。

本当にそうなのでしょうか。

米国は、それほど磐石なのか、懐疑的ですが。

他方、欧州は実態経済はボロボロです。

欧州の牽引役として、欧州経済を引っ張ってきた
ドイツ経済に陰りがみえはじめてきました。

金融危機は、ユーロ圏内の至るところでみえはじめています。

それでも、ユーロは底堅い動きを見せています。

金融危機は、収束していないのに、国際機関が
力を合わせて、ユーロ圏の危機を収束させようと、
懸命に頑張っています。

ドイツと他の諸国との対立が目立っていますが、
決定的な対立にはいたっていません。

何とか、ユーロ圏の結束を守ろうとしています。

市場は、こうした動きを睨みながら、ユーロに売りを
浴びせるようなことはしていません。

ユーロ危機は、終わっていないことで、
いつでも危機が再来する可能性はあります。

今は小休止ということでしょうか。

暑い時に、欧州危機が再燃する可能性が
あることに注意したいと思います。

三極三様の不安材料を持ちながら、
動きが出てくると考えます。

予想レンジは、
ドル円が97.20〜103.20円、
ユーロ円が126.20〜134.20円、
英ポンド円が147.20〜156.20円、
ドル円が88.20〜94.30円。