米判事がFRB議長の証言要求、AIG救済めぐる訴訟で

米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ
AIG)のモーリス・グリーンバーグ元最高経営責任者
(CEO)が2008年の同社救済をめぐり政府を提訴している
問題で、米連邦請求裁判所のトーマス・ウィーラー判事は29日、
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が法廷で証言すべき
との見解を示した。

米政府はこれまで、議長が果たした役割に関する情報は
証言以外の方法で得られるとし、一般に職務上の行動について
政府高官を証言させるべきではないと反論してきた。

また証言を迫られることで、米景気や財政政策の
監視役としての議長の職務を阻害する可能性が
あるとの見解を示していた。

だが、ウィーラー判事はAIG救済の決定に当たり、
バーナンキ議長は「中心的な役割」を果たしており、
極めて適切な証言を行える「重要な証人」と指摘。

このような中枢の意思決定者である議長の証言なしに、
裁判所はこの問題に関する判断を下すことは不可能
との立場を示した。

連邦請求裁判所では、当該情報について個人的に
知識を有している場合には政府高官が証言することは
「ほぼ定期的に」行われているとも述べ、
政府の見解に反論した。

連邦請求裁は政府に対する請求訴訟を扱っている。

FRBのスポークスマンはコメントを拒否した。

モーリス・グリーンバーグ氏の投資会社スター・
インターナショナルの弁護士は、決定に満足している
とコメントした。

ウィーラー判事は双方に対し、
証言の日程を調整するよう要請した。

また、スター側が提示している
8月16日は受け入れ可能とした。

米政府はAIG救済時に同社株式の
79.9%の取得権を獲得した。

今年3月1日には全株式を売却していた。