米オプション取引で誤発注、ゴールドマンの技術的問題で

米国の株式オプション市場で20日
取引開始直後に誤発注が相次いだ。

誤発注は、ゴールドマン・サックス・グループの
技術的問題のため起きたとみられている。

CBOEホールディングス、ナスダックOMXグループ
NYSEユーロネクストなどが運営する主要な
オプション取引所は、この日の取引開始から約15分間に
発注された取引について調査していることを明らかにした。

各取引所は、誤って成立したと確定した取引については、
価格の調整、あるいは取引の取り消しを選択できる。

ニューヨーク証券取引所を運営するNYSEユーロネクストは、
影響を受けた大半の注文が取り消しとなる可能性が高いとした。

NYSEの声明によると、NYSE・AMEXオプション市場は
米東部時間午前9時半から午前9時47分(日本時間
午後10時半から午後10時47分)の間に出された
頭文字H、I、J、K、Lの銘柄に関する注文の
「多数」を調査している。

ゴールドマンは、各取引所が問題解決に取り組んでいるとし、
同社としてこの問題による大きな損失やリスクは想定していないと表明。

これ以上のコメントは差し控えた。

この問題について詳しい人物は、原因はコンピューターの
誤作動で、株式オプションの取引意思の表示が実際の
注文として取引所に送信されたことにあると説明。

誤って送信された注文の一部が成立したという。

ワッツトレーディング・ドットコムのオプションストラテジスト、
フレデリック・ラフィ氏は、ケロッグやジョンソン・エンド・
ジョンソン(J&J)、JPモルガン・チェースなどの銘柄で
オプション取引高が通常の範囲を超えたことから、
これらが影響を受けた可能性があると指摘した。

同氏は、一部の上場投資信託ETF)の
オプション取引も影響を受けたとみている。

関係筋によると、損失額は数百万ドル規模となる
可能性があるが、影響を受けた取引の数は不明で、
最終的な費用がどれほどになるかは分からない。

米オプション分析会社ライブボルのマネジングディレクター、
Ophir Gottlieb氏は「今回の問題でトレーダーが被るコストを
知るための明確な方法はない」とした上で、「最も被害を
受けているのは、流動性を供給するマーケットメーカーと
そのカウンターパーティーだろう」と述べた。

CMEグループのテリー・ダフィー会長はCNBCの
インタビューで、各取引所のルールが異なるため、
取引の取り消しは難しいと指摘。

ナスダックとCBOEは「皆が同じ対応をするようにNYSE
他の機関と協調する必要がある。ある機関で取引が成立し、
別の場所では成立しないことになれば、市場参加者や
取引相手にとって大きな影響を与えかねない」と述べた。

先物取引を扱うシカゴ・マーカンタイル取引所
(CME)は今回の問題の影響を受けていない。

ナスダックOMXグループは、米東部時間
午前9時半から午前9時47分の間にナスダック・
オプション市場とナスダックOMX・BXオプション市場で
行われた取引を調査していると表明。

CBOEホールディングスは米中部時間午前8時半から
午前8時41分(日本時間午後10時半から午後10時41分)に
シカゴオプション取引所及びC2電子取引市場で行われた
すべての取引を調査しているとした。

NYSEユーロネクストの広報担当者は、NYSE・AMEX
オプションのシステムに問題はないと言明したが、
それ以上のコメントは差し控えた。

CBOEの広報担当者も、業務は
問題なく行われていると話した。
ナスダックの広報担当者はコメントを控えた。