銀行業界ではびこる「顧客採用」、JPモルガン問題で見直しも

JPモルガンによる少なくとも2人の中国人の採用をめぐり、
米政府が贈賄の調査に乗り出したことを受け、銀行や企業が
世界的に自行や自社の雇用慣行を見直している。
問題とされるのは「顧客採用」だ。

夏季インターンシップ、もしくはエントリーレベルの仕事を
重要な顧客の身内にあてがうのは、ビジネスの上で
世界的によく行われていることだが、特に銀行業界では
流行している。

銀行と顧客の双方にとってメリットがあるため、
香港駐在のある投資銀行関係者は「ファイナンス
人々の頼みを聞くことであり、そうやって世の中は
回っている」と話す。

顧客採用が通常の採用試験や面接を経ないで採用されるとは
必ずしも限らないが、ロイターがインタビューした
ヘッドハンターや銀行家によると、同じような条件を
持った採用候補者が2人いれば、コネのある候補者が
採用されるという。

米国の法律は企業が政治的に良いコネのある幹部を
雇うことを禁じてはいないが、ビジネス獲得のために
そのような人物を雇うことは贈賄行為に当たりかねない。

関係筋によると、米証券取引委員会(SEC)は
JPモルガンの行為が贈収賄防止関連法(FCPA)に
違反していないかどうか調査している。

香港駐在のある米銀筋は「中国国籍を持つ全ての
従業員のリストがあり、念のため全ての人間関係を
チェックしているところだ」と明らかにした。