米ナスダックがシステム障害で3時間取引停止、SECが対策協議へ

マイクロソフトやアップルなどが上場する米ナスダック株式市場で22日、
システム障害が発生し、正午過ぎから3時間余りにわたり取引が停止した。

事態を重くみた米証券取引委員会(SEC)のホワイト委員長は、
金融業界幹部を集めて「証券市場の継続的で秩序だった機能」を
確保する策を検討する会議を開く方針を示した。

取引が停止されたのは、米東部時間午後12時14分03秒
(日本時間23日午前1時14分03秒)。

オプション取引も停止された。

午後3時ごろに1銘柄の取引が再開。

その他の銘柄の取引も順次再開され、
午後3時25分に全面再開された。

停止時間は約3時間11分と、
最近起こった取引所の障害としては最悪。

ホワイトハウスの報道官によると、
オバマ大統領にも報告された。

ナスダックを運営するナスダックOMXグループは22日夜、
声明を発表し、株価を表示するシステムに問題が
発生したためと説明した。

ニューヨーク証券取引所NYSE)を運営する
NYSEユーロネクストは、ナスダックの要請を受け
すべてのナスダック上場銘柄の取引を停止した。

ただ、ナスダックで取引が停止された時刻から
午後12時23分31秒までの間の取引は有効とするとした。

ナスダックOMXの声明によると、ブローカーや
マーケットメーカーといった取引所参加者の
株価データを処理するSIPへの接続に問題が生じ、
SIPの処理が低下した。

原因を把握し対処したため、障害は
30分で解決したとしている。

取引停止時間の大半は、他の取引所や関係当局、
市場参加者との調整に割かれた。

このところ米株式市場では
システム問題が相次いでいる。

20日の株式オプション市場で、ゴールドマン・
サックス・グループの取引システムの誤動作により、
取引意志の表示が実際の注文として取引所に送信され、
株式オプションのほか一部の上場投資信託ETF)の
オプション取引も影響を受けた。

ナスダックは2012年、フェイスブック上場日に
取引処理に問題を起こし、取引所に対する制裁金としては
過去最高の1000万ドルの支払いで合意している。

企業向けソフトウェア分析を専門とするキャストの
エクゼクティブ・バイスプレジデント
レフ・レソーキン氏は「取引がテクニカルな問題で
頻繁に阻害される事態は、資本市場で活躍する
ビジネス・リーダーに対する警鐘とも言える」とし、
「ソフトウェア・システムの構造的な統合性を
詳細に検証する必要がある」と述べた。

ナスダックは22日の声明で、SIPを採用する
他の取引所と協力して今回の問題を調査し、
必要な改善策を支援していくと表明した。

取引停止前は0.8%高で推移していたナスダック
OMX株は再開後に5.4%安まで売られ、3.4%安で終えた。