9月のQE3縮小、経済成長示す指標必要=米アトランタ連銀総裁

ロックハートアトランタ地区連銀総裁は23日、
9月に資産買い入れを縮小するためには、「持続可能な」
経済成長を示す指標の裏づけが必要になるとの見解を示した。

ロックハート総裁はCNBCテレビとのインタビューで
「緩やかなペースでの成長が持続可能で、今後も
継続していくのか、もしくは腰折れするリスクが
あるのかどうかが最大の焦点だ」とし、9月の
連邦公開市場委員会FOMC)にかけ発表される
指標によって、米経済の持続可能な道筋が確認されれば
「9月に(資産買い入れ縮小を)支持する」と語った。

また、2013年の国内総生産GDP)については、
下期に成長が加速し、2〜2.5%の伸びになる
との見通しを示した。

年末時点の失業率は7.2〜7.4%と予想した。

コーン前FRB副議長、時期尚早な引き締め転換のリスク警告
米連邦準備理事会(FRB)前副議長のドナルド・コーン氏は、
FRBが早過ぎる時期に金融引き締めに転じた場合、政策転換が
遅過ぎた場合よりも大きなリスクに直面するとの考えを示した。

コーン氏はブルッキングス研究所を通して発表した論文で、
利上げ実施は「(経済の)過熱リスクとインフレ率が継続的に
目標を超えて上昇するリスク」に左右されるとし、緩和的な
金融政策の引き揚げの決定は、今回はとりわけ困難なものと
なるとの考えを示した。

コーン氏は70歳。

2010年2月にFRB副議長を退任し、
現在ブルッキングス研究所
シニアフェローを勤めている。

来年1月に任期が終了するバーナンキFRB議長の
後任候補として、オバマ大統領はメディアに対し
サマーズ元財務長官とイエレンFRB副議長の名前しか
挙げていないが、前月オバマ大統領に個人的に面会した
議員筋によると、大統領はコーン氏も候補の1人として
検討している。

最近の調査でもコーン氏の名前は第3位、
もしくは4位の候補として浮上。

今回ブルッキングス研究所を通して発表した論文は、
コーン氏が次期FRB議長に就任した場合、同氏の
政策運営の方針を知る上で格好の材料となる。

コーン氏は論文で、FRBがリセッション(景気後退)に
対処するために導入してきた数々の非標準的措置の
引き揚げにあたりFRBが直面する主要な課題について考察。

「早過ぎる時期にこうした措置を引き揚げ、利上げを
実施したことの結果として、経済が予想を超えて
減速した場合、対策が後手に回りインフレ率が
予想を超えて上昇した場合と比べて、コストは
大きい」との考えを示した。

コーン氏はまた、インフレが抑制されている限り
失業率が6.5%に低下するまで超低金利政策を
継続するとのFRBの方針に支持を示した。

資産バブル形成のリスクについては、こうしたリスクに
対処するために早過ぎる時期に利上げを実施することは、
「特にインフレと生産の目標を達成するにあたり、悪影響を
及ぼす」とし、効果的な規制を導入して対応することを提案した。

FRBが現在月額850億ドルの規模で実施している
資産買い入れについては、「活用されていない資源が
活用され始められるほどに経済が成長した時に、
ただし経済が過熱する危険性が表れるかなり前に、
規模縮小もしくは停止される公算が大きい」
との見方を示した。