主要国中銀、緩和策の出口急ぐ必要ない=IMF専務理事

国際通貨基金IMF)のラガルド専務理事は23日、
日米欧の中央銀行は超緩和的金融政策からの出口を
急ぐ必要はないとの見解を示した。

専務理事は米カンザスシティー地区連銀経済シンポジウムの
昼食会で講演し、「(非標準的金融政策からの)出口を急ぐことは
提唱しない。非標準的政策はそれを実施しているすべての国・
地域で依然必要とされている」と述べた。

その上で、政策の継続が必要な期間は国・地域によって
異なるとし、例えば欧州ではかなりの期間の継続が
必要だと指摘、日本に関しても出口は当分先となる
可能性が高いとの見方を示した。

専務理事はまた、緩和策の解除に踏み切る際には
世界経済の成長を妨げかねない影響の波及を最小限に
抑えるよう、各国中銀の協調が重要になると言明。

「政策協調はなお十分ではない。世界レベルで行動し、
各国がそれぞれの役割を果たさなければ、世界経済の
回復が脅かされるおそれがある」と述べた。

非標準的政策の効果については、当該国だけでなく、
そうした措置による世界経済押し上げの恩恵を享受した
他の国にとっても明らかにプラスに働いたとの見方を示した。

一方で、米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和縮小への
警戒感でこのところ新興国からの資金流出が顕著に
なっていることにも言及。

先進国の超低金利政策の結果、資金が大量に流入していた
新興国は、日米欧中銀が向かう金融政策正常化に対し用意を
整える必要があるとし、為替相場の弾力化や一定の市場介入が
一助となる可能性があると述べた。

また、新興国からの資金流出に対する具体的な対策として、
スワップ枠が「有益になり得る」とし、必要があれば
IMFとして知識及び資金面で支援する用意があると強調。

IMFの様々な制度を通して助言や
金融支援を提供する用意がある」と述べた。