ドルの上値を意識か

今週の為替相場は、ドルの上値を
意識する展開になりそうです。

相対的に、円は軟化すると見ています。

足元での米景気指標の堅調な動きを睨んで、
金融緩和縮小を唱える地区連銀総裁の声が
高まっています。

バーナンキ議長が、金融緩和縮小を打ち上げて、
金融市場が動揺した時には、その声は小さくなりましたが、
景気指標が堅調になってくると、再び、金融緩和縮小を
急ぐように求めています。

もともと、緩和継続派は抑制された声をあげる人が
多かったのですが、毎日のように、金融緩和縮小を
唱える声が聞こえてくると、9月の金融緩和縮小は
間違いないと思われています。

今、金融緩和を縮小して米国内はもちろん、
新興市場国は大丈夫なのでしょうか。

新興市場国から資金を引き揚げる動きが強まると、
新興市場国の経済が混乱します。

しかし、これでは混乱は終わらず、
次に先進国経済に大きな影響を与えます。

新興国に関与している金融機関の経営が
重大な事態に陥り、結果として先進国経済も
混乱するわけです。

過去数年、リーマンショックや欧州金融危機を受けて、
先進国の金融機関は、新興国市場に資金を
注入していただけに、その影響はかなり大きいと思います。

そういう危険因子があるにもかかわらず、
米国は自国のために、金融緩和縮小を
行いたいと考えているわけです。

今や米国は、国際金融のリーダーとは
言えない状況に陥ったわけです。

一方、欧州は危機の発火庫を
抱えた状況が続いています。

みんなが見ないふりをしていてくれることで、
奇妙な安定が保たれているのです。

しかも、景気は回復している、利上げの選択肢もある、
と指摘する声が上がっています。

どのように分析すれば、そんな
都合の良い結論が出るのでしょうか。

米国も、欧州も、日本の
二の舞を避けようと必死なのです。

そう考えると、色々なことに納得が行きます。

予想レンジは、
ドル円が96.20〜102.20円、
ユーロ円が127.20〜135.20円、
英ポンド円が148.20〜156.20円、
ドル円が84.20〜92.20円。