米債務上限問題、10月半ばがデフォルト回避期限=財務長官

ルー米財務長官は26日、議会が連邦債務の
法定上限引き上げで迅速に行動しなければ、
10月半ばに米政府の資金が底をつくと警告した。

ルー長官は議会指導部に宛てた書簡で「米国の
高い信用力を守るよう、議会は可能な限り早期に
行動すべきだ」とし、「デフォルト(債務不履行)の
リスクが具体化するかなり前」の行動を求めた。

連邦政府は、約16兆7000億ドルの債務上限に
達した5月以来、デフォルトを回避するため
さまざまな緊急措置を実施し、
資金をやりくりしている。

ルー長官は10月半ばまでには緊急の借り入れ手段が尽き、
手元資金残高は500億ドル程度と、1日で無くなっても
不思議はない額に減少すると分析。

デフォルトが差し迫り、米国に対する投資家の信頼を
揺るがしかねないと指摘した上で、「そうしたシナリオは
金融市場に悪影響を与え、米経済に大きな混乱を
もたらす可能性がある」と訴えた。

米国では2011年にも債務上限の引き上げをめぐる
与野党の対立で政府がデフォルト寸前に
追い込まれたことがある。

当時は同問題をきっかけに格付け会社S&Pが
米国債を格下げし、金融市場に動揺が走った。

今年も共和党は債務上限問題を政治的なてこに
利用することを検討中で、ベイナー下院議長(共和党)の
スポークスマン、マイケル・スティール氏は「債務上限は
引き続き、オバマ大統領の下でワシントンが米国の債務
及び赤字に本格的に取り組んでこなかったことを
思い起こさせる問題だ」と述べた。

一方、オバマ大統領はこの問題を政治的駆け引きの
材料とはさせない決意を示しており、ホワイトハウス
カーニー大統領報道官は「議会が積み上げてきた請求書を
支払う議会の責任をめぐり、議会で共和党と交渉する
つもりはない」と断言した。