スイス中銀、1ユーロ=1.20フランのスイスフラン上限を維持

スイス国立銀行中央銀行)は19日、スイスフラン
上限として設定した1ユーロ=1.20フランの水準を
維持するとともに、金利据え置きを決定した。

中銀は声明で、世界の金融市場の状況は幾分改善したものの、
スイスフラン相場の上限維持とスイスフランの3カ月物
ロンドン銀行間取引金利LIBOR)目標レンジを
ゼロ近辺に据え置くことが重要とし、これにより、
スイスフランに対する上昇圧力が再び高まった場合、
好まざる金融ひっ迫を回避することができる、とした。

スイス国内のインフレが低水準でとどまり、世界経済の
回復を背景に他国の利上げ観測が高まるなか、一部の
アナリストの間では、スイスフランがようやく
下落し始めるとの見方が広がっていた。

ただ、この日の中銀発表の数時間前に米連邦準備理事会
FRB)は市場の予想に反して緩和策の縮小開始を見送った。

これにより最初の米利上げ時期が先送りされた可能性がある。

欧州中央銀行(ECB)は2週間前に、短期金利を押し下げ、
ユーロ圏の景気回復を支援するため必要であれば、利下げや
追加の資金供給を行う用意があると表明している。

中銀は2011年9月6日から、1ユーロ=1.20フランの
スイスフランの上限を設定している。

中銀は2013年の成長率予想を、これまでの
1.0〜1.5%から1.5〜2.0%に上方修正した。

2013年のインフレ予想はマイナス0.3%から
マイナス0.2%に引き上げた。
インフレ率は2014年には0.3%になると予想。
2015年は0.7%と予想している。