ドル足踏み続く

今週の為替相場は、ドルが緩やかな
動きを継続すると見ています。

期待されていた米金融緩和の縮小は、
FOMCで先送りされました。

期待したほど、失業率が改善しなかったことや、
米国では財政赤字問題が、
再びクローズアップされていることで、
金融緩和縮小で市場や、経済が混乱しない配慮を
行ったのではないかとの見方が浮上しています。

バーナンキFRB議長も、新たな緩和を行うのではなく、
金融緩和縮小のタイミングを先送りしたことを指摘しています。

来年のバーナンキ議長の退任までに、金融緩和縮小が
出来るか否かは、まだ疑問です。

政府と議会の財政赤字問題がどのような決着を
見るのかが、今後、金融緩和縮小の動きに影響を
与えるものと思います。

このため、ドルは対円で見て、98、99円台を
中心に小動きが続きそうです。

一方、欧州ではポルトガルの格付けが
危険な状況になっています。

格付け会社が、ポルトガルの格下げ含みで
あることを指摘したこともあり、今後、
ポルトガルの格下げが現実のものとなった場合には、
欧州で動揺が広がる可能性があります。

欧州では、ポルトガルだけではなく、スペインの
動向も不透明感が強く、ギリシャ、イタリアと合わせて、
先行き懸念が一段と広がる可能性が強まっています。

ドイツでは、総選挙が行われますが、
与党が厳しい状況に追い込まれています。

欧州金融危機に対して、ドイツが譲歩していることに、
ドイツ国民の不満が出ているのだと思います。

そうなると、ユーロ圏の結束が、乱れる可能性が出ています。

独与党が、敗退するようなことになると、
ユーロ圏の危機が印象付けられると考えています。

そうなると、今は収まっているユーロ圏を
取り巻く問題が、大きくなってくると考えます。

予想レンジは、
ドル円が95.20〜102.20円、
ユーロ円が128.20〜136.20円、
英ポンド円が156.20〜164.20円、
ドル円が88.20〜96.20円。