男女平等への取り組み、世界的に失速=IMF報告書

国際通貨基金IMF)は23日、女性は依然として
男性に比べて労働参加率や賃金が低いとして、
男女平等社会の実現に向けた取り組みが過去数年で
世界的に失速しているとする報告書を発表した。

同報告書でIMFは、男性と同じ数の女性が労働力人口
加われば、米国では5%、日本では9%、エジプトでは
34%ほど経済成長を押し上げる効果が期待できるとした。

また、一部の国では男女平等が進展しているものの、
女性は依然として性差別や、労働意欲を阻害する税制や
政策に直面していると指摘。

世界的には女性の労働参加率は約50%だが、中東や
北アフリカといった地域では20%に下がるとしている。

労働力人口に占める男女比率の差は1990年から
縮小傾向にあり、現在世界全体では女性が40%を
占めるまでになった。

ただ、例えば日本を見てみると、労働に
参加する女性は男性に比べて25%少ないという。

一方、世界的な景気後退(リセッション)が
問題を複雑にしている側面もある。

先進国では、2007〜2009年には、失業は製造業や
建設業など男性中心の産業に集中したこともあり、
女性の失業は男性よりも少なかった。

それが2011〜2012年になると、男性の失業率は
安定もしくは低下したが、女性の失業は続いた。

発展途上国では、経済危機の影響は女性に偏り、
メキシコやホンジュラスでは全失業者の70%を
女性が占めた。

また、先進国では、同じ職業でも女性の給料は男性より
16%少なく、企業の幹部職に占める比率でも依然として
男女格差があるという。