ECBに利下げ余地はあるが、特定の金利水準目標とせず=クーレ理事

欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は26日、ECBは
必要なら追加利下げの余地があるが、特定の金利水準を
目標にはしていないとの考えを示した。

ニューヨークでの講演原稿の内容が明らかになった。

長期にわたり政策金利を据え置く方針(フォワード
ガイダンス)を明らかにしたことが、短期金利
上昇抑制に寄与したとの見解を示した。

ECBは7月、金利については事前にコミットしない
という慣例を破り、政策金利を長期にわたり現行の
0.5%以下の水準に維持する方針を明らかにした。

当時は、欧州の経済指標の改善と米国債利回りの
上昇などで銀行間金利が上昇していたが、ドラギ総裁は
上昇は正当化できず、ECBは金利を押し下げるための
措置を有していると述べていた。

クーレ理事は、この措置の一つがフォワドガイダンスであり、
緩和バイアスを明確に示すことで政策金利のさらなる引き下げの
可能性を示唆しているとの考えを示した。

その上で、ECBは市場金利の特定の水準を
想定してはいないが、景気回復への寄与を
頭においていると指摘。

「われわれの目的は、市場金利を特定の水準に
導くことではなく、変動が妥当な範囲にとどまり
景気回復に影響しないようにすること」とした。