EBAが欧州銀資産査定の指針公表、不良債権の定義統一

欧州銀行監督機構(EBA)は21日、2014年に行う
銀行資産査定の指針について明らかにした。

国ごとにばらつきのあった不良債権の定義統一などが柱。

銀行は貸倒引当金の積み増しを求められる可能性がある。

EBAがまとめた査定基準は欧州中央銀行(ECB)が
ユーロ圏130行を対象に行う資産査定にも用いられる。

またユーロ圏以外のEU各国もこれに基づいて
銀行資産査定を実施する必要がある。

EBAは声明で欧州レベルの銀行資産査定の統一性が
高まるとし、EUの銀行の資産をめぐる懸念が後退する
可能性があるとの見解を示した。

欧州銀に対してこれまで行われた2度のストレステスト
(健全性審査)では、国ごとに不良債権の基準が異なり、
各行の健全性の度合いを比較することが困難だった。

EBAが今回統一基準を打ち出したことで、銀行は
貸倒引当金の積み増しを迫られる可能性がある。

EBAは返済が90日以上滞っている場合か返済が
見込めない場合に不良債権とみなすとした。

また返済の猶予や条件変更に関する基準について、
不良債権とはみなされないケースもあるとし、
自動的に不良債権に分類され銀行が引当金
積み増しを求められることはないと明確にした。

EBAは、EUの銀行を対象とするすべての資産査定は
2014年10月末までに完了する必要があるとしている。

これとは別に実施するストレステストも
2014年10月までに完了の予定。

各行の資本不足額を示す結果は
2014年10月頃に発表の見通し。

ストレステストの合格基準や
資本増強の期限などは公表していない。