独経済は冬季にかけて力強さ増す、個人消費など支援=連銀月報

ドイツ連邦銀行中央銀行)は21日に公表した10月の月報で、
第3・四半期の独経済成長率は前四半期から若干加速したとの
見方を示すと同時に、冬季にかけて個人消費などに支えられ
力強さをさらに増すとの見通しを示した。

独経済成長率は今年第1・四半期は停滞したものの、
第2・四半期はプラス0.7%に回復。

ただ、エコノミストの間では、第2・四半期の回復は、
厳しい冬の間に抑制されていた建設工事の反動増によるもので、
独経済の実態は安定はしているものの精彩を欠く状態が
続いているとの見方が大勢となっている。

これに対し独連銀は月報で、「総生産は第3・四半期に
さらに増加したと見られる」との見方を表明。

「製造業受注や建設業受注に加え、IFO経済研究所の
期待指数からは、冬季の半年間にこうした経済トレンドが
力強さを増すことが示されている」とし、「非常に堅調に
推移している個人消費のトレンドも支援要因となっている」
とした。

住宅価格については、大都市圏で見られる上昇は
経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)からかい離
し始めていると警告したものの、「価格上昇は今のところ
大都市に集中している」とし、金融安定に大きなリスクを
もたらすには至っていないとした。

独連銀は、価格先高感や投機的な動きが不動産価格を
支援する可能性があるとし、短期的に価格に対する圧力が
軽減するとは見ていないと予想。

ただ、将来的に価格調整が起きれば家計に被害が
及ぶとしながらも、住宅価格の現在の水準は
マクロ経済上の大幅なリスクにつながるものでは
ないとの見方を示した。