ECBの金利コリドー、縮小すれば融資阻害も=オランダ中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーである
オランダ中銀のクノット総裁は21日、主要政策金利
引き下げ中銀預金金利や限界貸出金利との差(コリドー)を
縮小すれば、銀行間融資の回復を妨げる恐れがある
との認識を示した。

前週実施され、この日公表されたマーケット・ニュース・
インターナショナルとのインタビューで述べた。

ECBの主要政策金利である
ファイナンス金利は現行0.5%。

下限金利の中銀預金金利は0.0%、上限金利
限界貸出金利は1.0%となっている。

ドラギECB総裁は今月、市場金利の動向を注視している
と述べ、必要に応じて上昇抑制へあらゆる選択肢を講じる
用意があると言明した。

アナリストはこれについて、ECBが直ちに行動することを
示すシグナルとは受けとめていないものの、
利下げの可能性は排除していない。

クノット総裁はインタビューで「現時点で
われわれはいかなる措置も排除する状況にはない」
としながら、私見として「コリドーを狭めれば、
始まったばかりの銀行間市場の回復を抑制させる
可能性や反転させる恐れもあるという意味で、
厄介な副作用が生じる」との見方を示した。

長期資金供給オペ(LTRO)を追加実施する案に関しては、
「頭の片隅に置いておくのがよい」との考えを示した。

総裁は「われわれが持つ手段で回避できるのであれば、
流動性ひっ迫の再燃を看過することで回復を妨げるべき
でないとの考えは支持している」としながら、銀行間市場の
状況を踏まえると現時点で新たなLTROを検討する説得力の
ある理由は見当たらないと指摘し、現在は検討されていない
と語った。