英国は緊縮策堅持へ、景気回復だけで赤字削減できず=財務相
オズボーン英財務相は22日、景気回復だけでは財政赤字の
問題には対処できないとの見解を示し、緊縮策を堅持する
考えを明らかにした。
トムソン・ロイター・ニューズメーカーのイベントで述べた。
財務相は、国際通貨基金(IMF)を含む各方面から批判を
受けながらも緊縮の手を緩めなかったことが英経済の回復に
寄与していると語り、経済成長だけでは財政の根本的課題は
解決できないと指摘。
「国内総生産(GDP)の改善によって構造的赤字の問題が
解決されると考えるべきではなく、国内経済情勢の改善が
自動的に歳入拡大につながるわけではない」と述べた。
英国立統計局(ONS)がこの日発表した9月の
公的部門純借入額(PSNB、金融セクター介入の
影響を除く)は、税収拡大が寄与して111億ポンドに縮小。
今年度の借入額が見通しを大幅に下回る可能性が高まった。
英国ではPSNBを財政収支の指標として利用している。
英政府は今年度の借入額を1200億ポンド(対GDP比
7.5%)以内に収めることを目標としている。
4〜9月の6カ月間の純借入額は
567億ポンドと、前年同期比で9%超減少した。
オズボーン財務相はEUと米国の自由貿易協定
(FTA)交渉について、金融サービスが
除外されないことを望むと述べた。
中国に関しては、ロンドンを香港に次ぐ世界2位の
オフショア人民元取引市場に発展させることが重要だ
と強調した。
英政府は前週、中国など国外の銀行による英国での
事業展開を容易にする措置を打ち出した。
財務相はこれについて、中国の銀行を特別に
優遇するものではないと強調し、適切な規制の
対象になると述べた。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)
解体の是非については向こう数週間以内に決めるとした。