イタリア経済成長、政府予想下回る見通し=中銀幹部

イタリア中央銀行のシニョリーニ理事は29日、
来年の予算案を審議する議会で証言し、政府の
成長率見通しは楽観的過ぎると指摘、財政赤字目標が
確実に達成できるよう、自動的に緊縮策を発動させる
措置を導入すべきだと訴えた。

理事は、2014年の成長率が0.7%と、政府がこの日
予算案で示した1.1%を大幅に下回るとの見通しを示した。

サッコマンニ経済・財務相は同日の議会で、2013年の
成長率見通しをマイナス1.7%から同1.8%に
引き下げるとともに、2014年については
プラス1.1%の成長と、従来予想の1.0%から
上方修正していた。

2015年は1.7%、2016年は
1.8%に加速すると見込んでいる。

シニョリーニ理事はこうした見通しについて
「時期も定かでない構造改革の影響をフルに
織り込んでいる」と指摘。

予算案はドイツとイタリアの10年国債利回り格差に
ついても現在の2.4%前後から2016〜2017年には
1%に低下することを前提としているが、金融市場の
見通しと一致せず不確実性が高いとした。

来年の政府予算は財政赤字の対国内総生産
GDP)比率を3%から2.5%に縮小させる狙い。

シニョリーニ理事は、財政赤字と公的債務の
削減見通しを高めるには、予算案の想定が
非現実的だと判明した場合、自動的に緊縮財政を
発動させるような措置を導入する必要があると述べた。