利上げ示唆の文言削除、カナダドル相場への影響は限定的=中銀総裁

カナダ銀行中央銀行)のポロズ総裁は29日に
議会の委員会で証言し、先週の金融政策決定会合
18カ月ぶりに将来の利上げに関する文言を声明から
削除したのは、低いインフレ率と景気の弱さに
対応したものであり、カナダドル相場は大きく
下落しなかったと指摘した。

カナダ中銀は先週の会合で政策金利を据え置いたが、
次回以降は利上げと利下げの可能性が同等で、
2012年4月以降続いていたタカ派的な政策スタンスを
実質的に終了するとのシグナルを送って市場を驚かせた。

これを受けてカナダドルが売られ、
1週間ぶりの安値をつけた。

ポロズ総裁は、先週の会合で中銀はインフレ率が
目標の2%を下回る状況が続いていることに
さらに焦点を当てたと指摘した上で、「こうした背景を
踏まえて、われわれはもはや利上げに向けた明確な
バイアスは持つべきでないと判断した。

市場がそのことを理解してカナダドル
やや売られたが、非常に大きな相場の
変動ではなかった」と語った。

カナダ銀行は2008〜2009年の世界的な金融危機後に
主要中央銀行で初めて金融引き締めに踏み切り、
政策金利である翌日物金利を2010年の半ばに
3度にわたり引き上げた。

その後は1.0%で据え置いていた。

ポロズ総裁はまた、緩和的な金融政策のために
インフレ率が中銀目標を上回るリスクは小さい
との見方を示した。

カナダの9月の消費者物価指数上昇率は1.1%で、
中銀は2%に戻るのは2015年末と予想している。