景気回復は弱くまだら模様 慎重なケアが必要=アスムセンECB専務理事

欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は5日、
ユーロ圏の景気回復は弱くまだら模様で、慎重な
ケアが必要との認識を示した。

ただ、年初来に見られた回復方向は
変わらないとも述べた。

同専務理事はストックホルムでの演説原稿で
「ハードデータとソフトデータの双方は、
回復の芽はそこにあるが、まだ緑色になりきれず、
慎重に見守る必要があることを示すようだ」と述べた。

また、基本的に純輸出のみが景気を支えているとし、
内需の勢いは本格的でないとの見方を示した。

同専務理事は、域内の統合深化がユーロ圏への
信頼感醸成に寄与すると述べた。

銀行同盟については、銀行部門の強化に際し、
まず民間部門の資金が用意されるべきで、
民間での解決手段がなくなるなどした場合にのみ、
公的資金が用いられるべきとの考えを示した。

その上で「これらの公的な補強手段が必要となるかは
依然不透明だが、整えておくことが重要だ」と述べた。

ECBが来年、域内主要行に対して行う健全性審査では、
ぜい弱な部分を特定し、修正策を示すとした。

同専務理事は「補強手段が整わないまま、
このバランスシート評価を行うことは、
荒天のなかを救命胴衣も持たずにボートに
乗り込むさまにやや似ている」とした。