バイトマン独連銀総裁、低金利の恒久化に警戒感表明

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの
イトマン独連銀総裁は13日、低金利の効果は
時間の経過とともに薄れると指摘し、
金利環境の恒久化に警戒感を示した。

ECB理事会としてデフレリスクは
認識していないとも述べた。

総裁は講演で「低金利が恒久的な治療法になると特に、
リスクや副作用が拡大する一方、効果は時間とともに
低下する」と語った。

同総裁はまた、中銀の超低金利政策の結果、
資金調達コストが低下している状態に各国政府が
依存を深めることがあってはならないと警告。

「政府が慢心し、低金利の効果に依存するだけに
なってはならない。これは拡張的な金融政策が
もたらすリスクであり、われわれはこうしたリスクを
監視する必要がある」と述べた。

その上で、金利上昇の影響は実体経済よりも先に
銀行経営に表れることから、ECBが今後実施する
銀行バランスシートの検査で、金利が上昇し始めた時に
経営に問題が生じるかについて検証することを明らかにした。

講演後の質疑応答では、危機に見舞われた際に
中銀が採用を検討する非標準的な政策により、
中銀の独立性が脅かされる恐れがあると指摘。

「中銀の独立性は、中銀が担う責務の定義を
狭義にとどめる時のみ正当化される」と述べた。

同総裁はまた、ECB理事会内で一段と緩和的な
金融政策を求める南欧諸国と、これに反対する
北部欧州諸国との間に対立は見られない
との見方を示した。