日銀は景気判断据え置き、新興国経済にリスク

日銀は20〜21日開いた金融政策決定会合で、
国内の景気判断をこれまでと同じ「緩やかに
回復している」との表現で据え置き、4月に
導入した異次元緩和の継続を決めた。

黒田東彦総裁は会見で、物価目標の達成が危うければ
「政策対応余地がある」と述べたが、現時点で経済・
物価の動向は想定通りとし、具体的な手段について
話すのは時期尚早とした。

海外経済では新興国経済の成長鈍化を
注視していることが明らかになった。

企業の設備投資が持ち直しているほか、個人消費
引き続き底堅く推移していることなどから、日銀は
国内の景気判断を3カ月連続で据え置いた。

半面、海外経済については欧米先進国の回復が
続いているため「全体として緩やかに持ち直している」とし、
これまでの「全体としては徐々に持ち直しに向かっている」
から上方修正した。

ただ、「新興国の一部は、やや成長に勢いを欠く状態が
続く可能性もあるが、再び持ち直す」と述べ、緩やかに
回復を続ける日本経済への影響に懸念も示した。

総裁は2年で2%の物価目標を達成できない場合などについて
「政策の余地はある」と述べた。

従来は「調整する」としていたが、
表現をやや強めたようにもみえる。

もっとも「今、リスクが顕在化しようとしている
わけではない」ため、具体的な政策対応手段について
話すのは「時期尚早」と述べた。

このほか決定会合では、木内登英審議委員が2%の
物価安定目標の達成を緩やかなものとするよう
改めて提案し、反対多数で否決された。