独連銀のドンブレト理事、貿易黒字めぐる批判に反論

ドイツ連邦銀行のドンブレト理事は22日、同国の
高水準な貿易黒字に海外から批判が集まっていることに
反論し、ドイツ経済を人為的に弱体化させても欧州の
他の諸国を支援することにはならないと断じた。

ドイツをめぐっては、米財務省が10月下旬に公表した
為替報告書で、輸出依存度の高さを批判。

専門家の間では、輸出依存の経済構造が
域内の不均衡を招いているとの声もある。

ドンブレト理事は当地で開催された域内銀行業の会議で、
「ドイツを人為的に弱体化させても、欧州経済通貨同盟
(EMU)加盟国やEMU自体が良い状態に
なるわけではない」と強調した。

理事は、ドイツの経常黒字は政府の政策から
生じたものではなく、市場参加者の投資判断などによる
市場原理に基づいたものだとした。

また、経常黒字は高齢化を起因とする将来の負担増を
吸収するのに役立つため、経済における「損失」ではなく
「資産」だとし、「各経済の構造の違いを受け入れる
必要がある」と述べた。