ECBマイナス金利にドイツの銀行首脳らが警戒感表明
欧州中央銀行(ECB)が中銀預金金利をマイナスに引き下げ、
ユーロ圏内の貸し出しを促す政策について、ドイツの
銀行首脳らは22日、実施されても効果がなく、
危機の火種となる恐れもあると訴えた。
ドイツ銀行のユルゲン・フィッチェン共同最高経営責任者
(CEO)は、融資決定は主に借り手の信用度を基に行うもので、
中銀から融資するように圧力を受けてするものでない
との考えを示した。
フィッチェン氏は「中銀が銀行に資金を預けさせ、
その預金に対してコスト負担を課すと脅されて融資を
行うのではない。それはグロテスクだ。再び危機を
起こしてしまう」と警戒感を表明した。
ECBのドラギ総裁は7日の理事会後、経済状況に
正当化されれば、マイナス金利に踏み切る「技術的な
用意は整っている」との見解を示した。
ECBは同理事会で、主要政策金利であるリファイナンス金利を
過去最低となる0.25%に引き下げる一方、下限金利の
中銀預金金利は0.0%に据え置いた。
コメルツ銀行のマーティン・ブレッシングCEOは、
極端に低費用で資金調達ができれば、将来の危機を
招きかねないと懸念を示した。
米国での資産価格の上昇は、極めて低コストの
資金が要因となったとの見方を表明した。
多くの銀行は、マイナス金利にほとんど準備が
できていないとの声も上がっている。
ヘラバのハンスディーター・ブレナー頭取は、ほぼ全ての
業務に影響が及び、システムを大幅に変える必要が生じ、
費用は巨額に上ると警戒する。