円、下値メドを探る

今週の為替相場は、円の下値メドを
探る展開が予想されます。

金利差の円売りが市場では支配的となっており、
この流れが市場で一段と強まっています。

これまでは、リスク回避の円買いが持ち込まれ、
円はドルやユーロに対して優位を保っていたのですが、
リスク要因が剥落する中で、超低金利の円の評価が
為替市場でも意識される流れに転じています。

日銀は、インフレ率の2%達成が困難であることを
認識しているようで、どこかのタイミングで
さらなる緩和をしてくる可能性があります。

これに対し、ドルは早めの緩和の
一部解除を模索する声が強まっています。

今、流れている12月の一部解除はともかくとして、
来年3月の期間で考えれば、一部解除の可能性は
強いと思います。

来年FRB議長に就任するイエレン現副議長は、
緩和容認派と言われていますが、一部解除の
条件が整えば、躊躇することなく、緩和の
一部解除に踏み切ると思います。

もちろん、そこに至るハードルは高いのですが、
そういう空気が米国内では醸成されつつある
と考えています。

一方、ユーロ圏は経済格差が
広がっていると思います。

ドイツは依然として、ユーロ圏を
牽引する力を持っています。

ただ、以前ほど、その力は
磐石ではありません。

また、ドイツが貿易黒字を膨らませていることに対し、
批判的な声が聞かれています。

ユーロ圏の中で、ドイツだけが潤っていることに
不満が出始めているのです。

金利についても、ドイツはこれ以上の
引き下げに反対の姿勢を示しています。

また、ECBによる、金融機関の救済についても、
反対の姿勢を示しています。

あるいは、国の救済についても
反対の姿勢を示しています。

もっと自助努力をする
必要性を指摘しています。

ユーロ圏は、一枚岩ではないことが、
示されています。

米国、ユーロ圏ともに、不安はあるのですが、
金利差では、円を上回っていることが、
買いに繋がっているわけです。

円の安値が105円でとどまるのか、
110円を超える円安があるのか、
この1、2週間が大きなヤマ場になると思います。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜105.20円、
ユーロ円が136.20〜143.20円、
英ポンド円が165.20〜172.20円、
ドル円が88.20〜96.20円。