ECB、銀行に国債保有リスクに対する資本準備求める方針=FT

欧州中央銀行(ECB)のプラート理事は、資本基盤が
ぜい弱なユーロ圏の銀行が資金不足の国の国債の購入に
自己資金を充てている状況を解消するため、ECBが
国債保有リスクに対し資本を準備するよう銀行に
求める方針を明らかにした。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版が伝えた。

同理事はFTのインタビューで、ECBはユーロ圏の
主要銀行監督当局として新たに得る権限と従来の
通貨発行機関としての役割を組み合わせ、これまで
リスクのない資産に分類されてきた国債の扱いを
厳格化させると述べた。

銀行がECBから調達した資金を国債購入に充てていることが
ユーロ圏債務危機の長期化の一因と指摘されていた。

FTは、ECBはユーロ圏の主要銀行130行を対象に
来年行う健全性審査や追加の長期資金供給オペ
(LTRO)を機に、国債保有のリスク評価の厳格化などの
変更を試みるだろうと指摘した。

FTによると、プラート理事は、健全性審査で
「銀行資本に対するリスクに基づいて」国債
扱われる場合、銀行はECBから調達した資金を
さらなる国債購入に充てる可能性は低くなるだろう、
と発言。

また、健全性審査でユーロ圏の家計や企業に対する
融資が滞る場合、ECBは低コストの資金供給を
新たに行うと語った。

ECBのスポークスマンはコメントを控えるとした。