異次元緩和後の短期金融市場、取引状況に大きな変化なし=日銀調査

日銀は26日、短期金融市場の取引状況を把握するため、
市場参加者を対象に実施したアンケート調査の結果を
公表した。

今年4月に導入した異次元緩和によって、
日銀の当座預金残高が大幅に増加しているが、
短期市場の取引残高やクレジットラインの
設定状況などに大きな変化はみられていない、
としている。

調査は今年7月末時点のコール市場
レポ市場などの残高をもとに8月に実施した。

対象は日銀のオペレーション対象先に
主要生損保などを加えた284先。

調査によると、異次元緩和の導入によって日銀の
当座預金残高が7月末に85.1兆円と前年から
2倍以上に拡大しているが、コールやレポなど
短期市場全体の残高は、2008年のリーマンショック後に
減少した後は、今年も含めて横ばい圏での推移になっている。

また、コールやユーロ円などの無担保取引で、
上限金額などを設けるクレジットラインの設定状況や、
市場参加者の事務体制についても大きな変化は
みられていないという。

日銀は2001年から2006年にかけて量的緩和政策を
実施したが、当時は無担保コール翌日物金利
ほぼゼロ%となり、取引が低迷するなど
市場機能の低下が問題になった。

今回の緩和局面では、超過準備に対して付利
(現行0.1%)が設定されていることから、
無担保コール市場などと日銀当座預金との間で
裁定取引が行われていることも市場取引を
下支えしている。

また、株価の上昇などを背景に、投信などの
資金運用残高も増加している、という。