利上げの判断には幅広いアプローチ採用=英中銀総裁

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は23日、
利上げ可能な時期の見極めについて、幅広いアプローチを
採用する考えを示した。
BBCのインタビューで述べた。

22日発表された国際労働機関(ILO)ベースの
2013年9〜11月失業率は7.1%で、中銀が8月に
利上げ検討の目安とした7%をわずかに上回る
水準まで低下した。

中銀は、失業率がこの水準まで
低下するには数年かかると考えていた。

総裁は、英経済には勢いがあるとする一方、
早急に金利を引き上げる必要はないとの認識を
示した。

一方、利上げを検討する新たなアプローチを
来月明らかにする可能性を示唆した。

失業率の新たな基準値を示すつもりか
との質問に対しては「われわれにできることは
たくさんあるが、性急に判断を下すつもりはない」
と発言。

「まずこれは金融政策委全体で
決める事項だ」と指摘した。

「また労働市場全体の状況や企業が抱える
余剰の問題ということを理解してもらいたい」とし
「従ってひとつの指標に必要以上に焦点を当て、
こうした問題から逸れてしまうのは望ましくない」と語った。

英経済は中銀が8月に「フォワドガイダンス」政策を
採用して以来急速に回復し、失業率は中銀の想定を
上回るペースで低下。

一つの経済指標に金融政策を結びつける
手法をめぐり、中銀とカーニー総裁への
批判が強まった。

総裁は「もしわれわれの失業率見通しが
間違っているなら、それは好ましいことだ」
と述べ、見通しを誤ったことを認めた。

一方、8月のフォワドガイダンス採用については、
当時は金融政策委員の間で意見が分かれ不透明感が
強かったとして擁護。

「今は状況が変わった」と述べた。

英経済の現状については、回復はしているものの
まだ健全な状態にはほど遠く、労働市場も通常の
状態には戻っていないとの認識を示した。

「最悪期は脱したが、危機の影響はまだ大きい。
銀行部門はまだ改善が必要で、債務も依然高水準だ。
見通しについても不透明感が残っている」と述べた上で、
「こうした状況が当面続き、金融政策の決定にも影響する」
との見方を示した。

また、金融引き締めの時期がきても、金利引き上げは
非常に緩やかなペースになるとの認識を示した。