各国は相場動いても緩和縮小を、改革に注力すべき=BIS総支配人

国際決済銀行(BIS)のカルアナ総支配人は
ロイターとのインタビューで、各国は大規模な
金融緩和政策を縮小し、経済改革に注力する
必要があるとの認識を示した。

インタビューは23日に世界経済フォーラム
年次総会(ダボス会議)の合間に行われた。

同氏は、世界の景気見通しは
明るさを増したと指摘。

政策決定者はこの機会を逃さず、生産性を
高めるよう自国経済を改革すべきとの考えを示した。

同氏は「金融政策の正常化を続け、政策の別の面、
つまり改革と修復により注視する必要がある」と述べた。

先進国経済は「好調さを増しつつある」と分析、
新興国市場も成長を続けるとの見方を示した。

ただ、過去数年間に見られた
勢いを伴わないとも予測した。

また、構造改革や銀行の
バランスシート修復を求めた。

カルアナ氏は「(市場で)ある程度値動きが
荒くなるのは正常な姿と考える傾向が
われわれにはあり、(金融政策の)正常化は
こうした市場の変動に過度の影響を
受けるべきでない」と指摘。

「世界的に、金融緩和水準は極めて高く、
持続可能な金融安定の姿と相容れないようだ」
と述べた。

大規模金融緩和の縮小は、先送りすれば
複雑さを増すとの見通しも示した。

金融安定理事会、為替指標レート見直す方針
20カ国・地域(G20)の規制当局と中央銀行
構成する金融安定理事会(FSB)は24日、
為替取引に用いられる指標レート(ベンチマーク)を
見直す方針を明らかにした。

これまでは規制が緩かったが、為替相場
不正操作問題を受けて厳しい監視下に置く可能性がある。

LIBORロンドン銀行間取引金利)の不正操作疑惑が
浮上したことを受けてFSBはすでに市場の指標金利
改革に乗り出している。

FSBはロイターに対し電子メールで
「為替取引の指標レートに関する問題で
必要な作業を洗い出している段階だ」と説明した。

規制当局のグループと学識経験者らによる
グループは6月にそれぞれ改革に関する提言をまとめる。

関係筋はFSBが為替市場の問題への
取り組みについて「かなり早急に」
公表する公算が大きいと述べた。

ただ見直し作業がどのような形と
なるかなどは決まっていないとしている。