ECB、短期金利の上昇抑制で対応の構えない=オランダ中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーである
オランダ中銀のクノット総裁はブルームバーグ
インタビューに対し、ECBは短期金利
ボラティリティに関して懸念しているものの、
政策で対応する用意はないと明らかにした。

クノット総裁は金利差(コリドー)が縮小すれば、
銀行間取引市場に影響が出るため、ECBが
主要政策金利であるリファイナンス金利
さらに引き下げるのであれば、中銀預金金利
マイナスへの引き下げが伴わなければならない、
との見方を示した。

総裁は「(短期金利の)変動の理由について
頭を悩ませている」と述べた上で、「政策対応が
正当化されると結論付ける前に、この原因を
もっと理解する必要がある」と述べた。

ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)は先週、
4営業日連続して、現在0.25%となっている
ファイナンス金利を上回る水準での取引
となっていた。

高水準の市場金利はユーロ圏の景気回復を
脅かす可能性があり、ECBも必要であれば
一段の緩和を行う構えがあると表明してきた。

クノット総裁はまた、ECBに緩和方向への
バイアスがあることを認め、引き締めが
政策課題になってくるような状況は
まだ遠いと述べた。

超長期資金供給オペ(VLTRO)については、
ECBが実施するのであれば、資金供給と
引き換えに銀行に対し条件を付けることを
望むと述べたが、現時点でそうした必要性は
ないとした。

クノット総裁は「現時点で、VLTROのようなものが
視野に入ってくるほど、資金調達面で深刻な問題が
あるとは思えない」と述べた。