先進国、時期尚早な金融緩和縮小を回避すべき=IMF

国際通貨基金IMF)は19日、世界経済の緩慢な
回復や最近の不安定な市場動向によって一部の
新興国市場におけるリスクが浮き彫りになったことを
踏まえれば、米国など先進国は時期尚早な
金融緩和縮小を回避すべきとの見方を示した。

22〜23日にオーストラリアのシドニーで開かれる
20カ国・地域(G20財務相中央銀行総裁会議
向けてまとめたブリーフィングノートで指摘した。

IMFは、各国中銀には出口戦略で
連携を深める余地があるとした。

世界経済の成長見通しについては、
2014年が約3.75%、2015年が4.0%と予想。

1月に公表した最新の世界経済
見通しでの予想とほぼ同じ水準となった。

ただ、ユーロ圏における極めて低水準の
インフレが新たなリスクとなっているほか、
新興国は混乱を乗り切るために健全な
経済政策や柔軟な為替レートが必要だと指摘。

新興国では資本流出金利上昇、為替の
急落が引き続き主要な懸念材料であり、
一部の国については、企業部門のぜい弱さを
考慮すると、金融状況が持続的に引き締まれば
投資や成長が損なわれる恐れがある」との見方を
示した。

非標準的な金融政策の解除に関しては、
出口戦略をめぐる中銀間の意見交換拡大など、
連携を深める余地があるとした。

また「見通しが改善するなか、米国などでの
時期尚早な金融緩和解除を回避することが
極めて重要」とし、FRBによる早計な
緩和解除をけん制した。

一方、欧州中央銀行(ECB)は金融政策を一段と
緩和する必要があり、日銀は2%のインフレ目標
達成に向けた前進が停滞または反転した場合、
一段の緩和が必要との見方を示した。