米FRB、シティグループ含む5行の資本計画を承認せず

米連邦準備理事会(FRB)は26日、米金融大手
シティグループを含む5行の資本計画の承認を
拒否した。
ただ、その他25行の資本計画は承認した。

FRBが計画を承認しなかったのは他に、
英金融大手HSBC、英ロイヤル・バンク・
オフ・スコットランドRBS)、スペインの
サンタンデール銀行米子会社、及び
ザイオンズ・バンコープ。

FRBは、シティのストレス・シナリオに
耐える力は依然として十分ではないと判断、
同行の増配計画を退けた。

シティの計画が承認されなかったのは
過去3年間で2度目。

同行の株価は26日の時間外取引
4.5%安の47.90ドルに下落した。

シティグループのマイケル・コーバット
最高経営責任者(CEO)は、FRBの決定に
「深く失望している」とするコメントを発表。

シティの株主還元拡大策は
控え目なものだったと指摘した。

FRBは、シティのリスク管理体制はここ数年間に
一部が改善されたとしながらも、世界各地で
起こり得るストレス・シナリオにより、自行の
収益がどの程度損なわれるのか十分に
査定しきれていないと指摘。

シティの内部監査では、世界的な危機により
同行の広範な事業にどのような影響が及ぶか
十分に判定することはできないとした。

FRBは前回、2012年の健全性審査
(ストレステスト)でもシティの
資本計画を承認しなかった。

関係筋は、東南アジアの一部顧客に対する
融資をめぐるリスク査定が問題になったとしている。

今回FRBは、シティの一部の問題について
「以前、監督当局が監視が必要と判断していた」
と指摘。

これらについて「十分な改善は
見られなかった」とした。

シティは2011年以来、1株当たり
0.01ドルの配当金を支払ってきた。

年間の配当金支払額は
約1億2000万ドルになる。

シティは今年、自社株買いの規模を
5倍以上に引き上げるほか、四半期配当を
1株当たり0.05ドルに引き上げる方針だった。

FRBはこの他、英HSBC、英RBS
スペインのサンタンデール銀行
米子会社について、資本計画に問題が
あるとして、増配、もしくは自社株
買い戻しに関する計画を承認しなかった。

ザイオンズ・バンコープについては、FRB
20日に公表したストレステスト(健全性審査)の結果、
大手行30行中同行だけが中核的自己資本比率
規定の5%に満たず不合格となっていたため、
資本計画の承認拒否は予想されていた。

FRBが資本計画を拒否した5行は、増配や
自社株買い戻しを実施することはできないが、
前年と同水準の配当金の支払いは可能。

FRB当局者らは記者団に対し、これら銀行に
おける過去数年間の資本配分は十分控え目な
ものであり、現行水準での資本配分を
継続することができると述べた。

FRBはその他25行の資本計画は承認したものの、
バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)と
ゴールドマン・サックスについては、
ストレステストの結果公表後に資本計画の
再提出を求めていた。

今回のテストでは、銀行が資本バッファーを
維持しながら計画に記された株主への資本還元を
実行できるかを査定。

FRBは各行が提出した資本計画の
内容は公表していない。

今後承認を受けた各行が
公表するとみられている。