ドル下値余地を意識も

今週の為替相場は、ドルが
下値余地を意識する動きが
予想されます。

大きな材料は見当たらないのですが、
日本が政策金利を据え置いたことで、
日米の金利差がさらに広がると
見ていた向きには意外感が出ています。

米国は超緩和策の縮小、日本は
追加緩和に踏み切るとの思惑が、
ドル買い、円売りの材料と
見られていました。

これが、日本の緩和が見送られたことで、
ドル買いの勢いが薄れているわけです。

この中で、米国株式相場の冴えない
動きもドル売りの要因となっています。

株価の変調が、ドル相場に
悪影響を与えているわけです。

この流れは、慎重に
見極めたいと思います。

一方、わが国では、新年度入りで、
対外投資に伴う、円売りが
持ち込まれています。

機関投資家はもちろん、個人投資家も、
金利が続く円から、ドル、ユーロ、
あるいは高金利通貨に買い意欲が
強まっています。

円で保有していても、投資妙味が
少ないことで、投資家としては、
当然の行動です。

金利の円から高金利通貨に、
お金が流れるのは避けられない
ことです。

ただ、そういう環境が整って
来たわりには、円安になりません。

むしろ、円がじりじりと上値を
切り上げているという印象です。

いや、ドルが下値を
切り下げているようです。

ドルの下値抵抗線は、100円50銭に
あると言われ、この水準をドルが
下抜ければ、一気にドル売りの
流れが強まることには、注意が必要です。

そうなれば、わが国機関投資家が、
ドルの下値を拾って来ることが
予想されます。

わが国機関投資家のドル買いが、ドルを
大きく押し上げることが出来るか否か、
注目しています。

往年のジャパンマネーの力を
見せることが出来るのかどうか、
見極めたいと思います。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜103.20円、
ユーロ円が137.20〜143.20円、
英ポンド円が167.20〜172.20円、
ドル円が93.20〜98.20円。