資産買い入れ実施なら対象はABSに限定せず=ECB総裁
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は12日、
デフレ対策として資産買い入れなどの
非伝統的手段を導入することになれば、
市場規模の小さい資産担保証券(ABS)だけが
買い入れの対象になることはないとの見方を示した。
ECBが資産買い入れを通じて経済にマネーを
供給し始めた場合、国債に加え、ABSなどの
民間部門の資産が購入の対象になることが見込まれている。
欧州のABS市場は、金融危機を
受けて機能がほとんど失われた状態にある。
ECBが非伝統的な政策措置を導入した場合、
ABSの買い入れがどれだけ有効かという質問に対し、
ドラギ総裁は「ABSの市場は現在約1000億
(ユーロ)の規模で、比較的小さい」と指摘。
「他の非伝統的措置も
検討するかもしれない」と述べた。
国際通貨基金(IMF)/世界銀行春季総会の合間に、
ドラギ総裁は欧州連合(EU)の法に則って債券を
買い入れる必要があり、債券発行より銀行融資を
通じた資金調達を優先させる欧州企業の意向を
汲み取るべきだと指摘。
プログラムを設計する場合に、これら2つの
側面を考慮する必要があると語った。