米FRB、保有債券で2013年に含み損530億ドル
米ニューヨーク連銀が17日発表した連邦準備理事会
(FRB)の2013年年次報告によると、純利益は
840億ドルで、前年の890億ドルをやや下回った。
市況悪化により、米国債など保有資産に
530億ドルの含み損が発生した。
FRBが含み損を認めたのは初めて。
2012年は債券市場が上昇局面だったため、
2150億ドルの含み益がでていた。
すでにFRBは金融危機に対応した大規模な
量的緩和の縮小に着手しているが、バランスシートは
なお4兆ドル強の水準で推移している。
年次報告は「システム公開市場勘定(SOMA)の
大規模なポートフォリオ、大量に保有する長期債、
利付債の利払いによって、2013年の純利益は
840億ドルになった」としている。
公開市場操作(オペ)を通じて取得した債券などを
保有しているシステム公開市場勘定(SOMA)は
2013年末時点の残高が3兆8000億ドル。
2012年末時点の2兆8000億ドルから増加した。
金融機関が所定額以上にFRBに預けている金額
(超過準備)に対する利息の支払いは50億ドル。
前年の40億ドルから増加した。
報告書は、ポートフォリオや金利動向の現時点の
見通しを踏まえ、「純利益は2025年にかけて、
平均で金融危機前の水準を上回り続ける」
との見通しを示した。