米量的緩和、英国の2倍の成長率押し上げ効果=英中銀論文

イングランド銀行(英中央銀行)は、量的緩和
QE)に関する論文を公表した。

それによると、量的緩和による成長率押し上げ効果は、
米国で英国の約2倍に達した。

論文では、2009年3月から2013年5月の
両国の成長率とインフレデータを分析。

その結果、米国の場合、国内総生産GDP)の1%に
相当する資産の買い入れで実質GDPが0.36%押し上げられた。

一方、英国では0.18%の押し上げにとどまった。

インフレ率は米国で0.38%、英国で0.3%
押し上げられ、効果の差はほとんどなかった。

論文の共著者であるウィール金融政策委員は
「資産の買い入れが生産と物価の安定に
寄与し得ることを示すものであり、心強い
調査結果だ」と指摘した。

英中銀は2009年3月から2012年10月までの間に
3750億ポンド(6300億ドル)の資産買い入れを実施。

米連邦準備理事会(FRB)は2008年以降、
3兆ドル以上の資産買い入れを行っている。

また論文によると、米量的緩和は、投資家の
リスク資産への投資を促すことにより効果が波及。

英国の量的緩和は、金利が長期にわたり
過去最低水準にとどまるとの見方を市場に
浸透させることで効果が波及した。