不動産バブル起きていないが、十分注意したい=黒田日銀総裁

日銀の黒田東彦総裁は23日午前の衆院財務金融委員会
出席し、現時点では異次元緩和による「不動産や金融市場で
過度な期待の強化などの不均衡はない」と述べ、バブルの
発生はみられないと指摘した。

ただ「日米米欧で不動産への行き過ぎた投資が
金融システムに影響した」として、今後の動向に
「十分注意したい」と強調した。

銀行貸出については、「大企業向けは若干鈍化しているが、
中小企業向けが伸びている」とし、「概ね経済活動に
沿って伸びている」と指摘、貸し出しの伸びが
「期待外れではない」と述べた。

今後についても、「すう勢として伸びが
高まっていく」との見通しを示した。

物価は、「現時点で2%の目標を目指し、順調に
道筋をたどっている」とし、2013年度の
消費者物価指数(除く生鮮食品)は、日銀の
従来見通しである前年比0.7%より
「おそらく高めになる」と述べた。

また、民間エコノミストの多くが昨年4月の
異次元緩和開始時に予想していた物価を、
現状は上回って推移していると指摘した。

その上で「何らかのリスク要因で見通しが変われば、
必要な(政策)調整を行う」と、場合によっては
追加緩和を辞さない姿勢を示した。

政策手段については「そのときの経済・物価情勢、
市場動向をみて判断する」と述べるにとどめた。

また「物価目標を安定的に達成した後、国債
財政負担を下げるため金融政策を行うことはない」
と述べ、名目金利を抑え続けるためには、
異次元緩和を止められないのではないか
との質問に反論した。
前原誠司委員(民主)の質問に答えた。