日銀が政策維持、「デフレ」の表現削除し設備判断引き上げ

日銀は21日の金融政策決定会合で、現行の
異次元緩和政策の継続を全員一致で決めた。

資産買い入れ方針も維持する。足元の景気判断を
「基調的には緩やかな回復を続けている」に
据え置く一方、設備投資を「緩やかに
増加している」に上方修正した。

金融政策運営に関し、異次元緩和を導入してから
明記し続けてきた「15年近く続いたデフレ」などの
表現が削除された。

設備投資判断は前月まで「持ち直しが
明確になっている」となっていた。

15日に公表された2014年1〜3月期の
実質国内総生産GDP)では、設備投資が
同4.9%増と高い伸びを示すなど一連の
強め経済指標を受けて判断を引き上げた
とみられる。

一方、前月に「増加を続けている」としていた
公共投資は、「高水準で横ばい圏内の動きと
なっている」に修正した。

輸出や個人消費、生産などの
判断は据え置いた。

景気の先行きは「基調的には緩やかな
回復を続けていく」との判断を維持。

消費者物価の前年比も、消費税率引き上げの
直接的な影響を除いたベースで「しばらくの間、
1%台前半で推移するとみられる」との見通しを
据え置いた。

金融政策運営では、「量的・質的金融緩和は
所期の効果を発揮」しているとの評価を新たに挿入。

一方、昨年4月の異次元緩和導入以降、
すべて会合の声明に明記してきた
「このような金融政策運営は、実体経済
金融市場における前向きな動きを後押し
するとともに、予想物価上昇率を上昇させ、
日本経済を15年近く続いたデフレからの
脱却に導くものと考えている」との表現が
削除された。

2%の物価安定目標の実現を目指し、「これを
安定的に持続するために必要な時点まで量的・
質的金融緩和を継続する」とし、「その際、経済・
物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、
必要な調整を行う」方針を改めて表明した。

会合では、 木内登英審議委員がこれまでに
引き続き2%目標の達成を緩やかなものとし、
2015年春をメドに異次元緩和のあり方を
見直すよう提案し、反対多数で否決された。