ECB、一部金利の「微調整」は可能=コンスタンシオ副総裁

欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は6日、
ECBが主要政策金利であるリファイナンス金利
追加引き下げを実施する公算は小さいとしつつも、
他の金利を微調整する可能性は残されているとの
見解を示した。

コンスタンシオ副総裁はCNBCとのインタビューで
「ドラギECB総裁は金利が事実上、下限に達したと
言明したが、状況の変化に応じ行動することも
排除しなかった」と強調。

「必ずしもリファイナンス金利とはならないだろうが、
コリドー(金利差)を微調整することは可能だ」
と語った。

また、仏銀BNPパリバが米国の対イラン制裁などに
違反したとして米司法当局から多額の罰金を科せられる
可能性をめぐる問題については、同行の破綻に
つながるようなことはないとの見方を示した。

また同副総裁は、ECBが前日発表した一連の措置が
効果を発揮せず、インフレ期待が低下し始めるようであれば、
年末までに広範な資産買い入れ策を実施する可能性が
あるとの見解を示した。

ロンドンで開かれた会合に出席している副総裁は
記者団に対し、ECBは新たな資金供給オペが
堅調な需要を集めることを期待しており、
それによって、資産買い入れ策が必要と
ならないことを望んでいると語った。

副総裁は「われわれが現在直面している状況や
課題に対する対応として、われわれがとった行動は
十分と考えている。ただ、下振れ要因によって状況が
一段と悪化するようであれば、あらゆる種類の
非標準的措置を検討する必要が生じる」とし、
「そのような状況下では、より広範な資産買い入れ
プログラムの導入について検討する必要が
出てくるだろう」と言明した。

同時に、金融市場でみられる中期インフレ期待は
引き続き2%近辺で推移していることを踏まえると、
現時点では大規模な資産買い入れプログラムは
必要でないと述べた。

また、前日発表した一連の策の効果を見極めるには
恐らく12月末ごろまで時間がかかるとし、
「状況の見極めは、12月に実施する新たな
資金供給オペの後となるだろう」と述べた。

また、それまでに、ユーロ圏銀行に対する包括的な
質評価(AQG)が完了し、銀行の状況が明らかに
なってることも指摘した。

その上で、新たなオペに対し、銀行からの
「大規模な引き合いがあることを望む」とし、
初回オペの規模が最大4000億ユーロになる
可能性があると述べた。

同副総裁はまた、ユーロ圏でインフレ期待の低下に
外部ショックが加わるという「悪循環」が起きれば、
幅広い資産買い入れプログラムが必要になる可能性が
あるとの認識を示した。

副総裁はロンドンで開かれたイベントで
「負のスパイラルを生みかねない(低)
インフレや(インフレ)期待低下及び
外部ショックから一定の悪循環が起きれば、
幅広い資産買い入れプログラムが必要になる
可能性がある」と述べた。

ECBは前日の理事会で政策金利を過去最低に
引き下げるとともに、一連の追加支援策を
発表したが、大規模な資産買い入れによる
量的緩和QE)の決定は見送った。

コンスタンシオ副総裁はまた、政策金利
現在の水準で維持されるとの見通しを示した。

金利は長期間、低水準で
安定的に維持される」と述べた。