ECBの緩和措置、激論の末決定、追加策は時期尚早=独連銀総裁

欧州中央銀行(ECB)のバイトマン独連銀総裁は、
ECBが5日の理事会でマイナス金利などを含む
一連の緩和策を決定したことについて、内部で
激しい議論があったことを明らかにした。

その上で直ちに追加措置の検討を
開始するのは適切でないとの考えを示した。

総裁は6日公表された独ビルト紙のインタビューで、
インフレ率があまりに長期間にわたって低過ぎる
水準にとどまれば、経済に悪影響が出ると指摘。

「このためわれわれは行動をとった。どのような措置を
打ち出すかについて長く激しい議論があった。
当然ながら簡単な決定ではなかった」と明かした。

突然金融緩和を支持する側に回ったようにみえる
との指摘に対し、バイトマン総裁は常に物価安定の
ために取り組んでいると強調し「インフレ率が
低過ぎる水準へ低下することも容認できない」と述べた。

「ECBは多くの資金を低金利で供給しているが、
ユーロ圏には与信があふれているという状況ではない。
その逆だ」と語った。

「貸し出しに関して銀行は非常に慎重で、
多くの国で企業の資金需要も極めて弱い。
この状況を変えるためのECBはできることを
行った」と説明した。

また「ECBは非常に幅広い措置を打ち出した。
どのような効果をもたらすか様子を見るべきで、
直ちに追加策の検討を始めるのはばかげている」
と述べた。

総裁はECBの国債買い入れについて「ECBは
ユーロ圏の『バッドバンク』になることはできない。
自分の立場は変わっていない」と強調した。

「ユーロ圏のインフレ率は低水準で、消費者の購買力が
守られている。同時に預金金利も極めて低い。ECBの
措置の最終的な目的はこの状況が定着しないように
することだ」とし、「金利が再び上昇するには
経済の急速な回復が重要だ」と述べた。

いつ金利の再引き上げが可能になるかとの質問に対し
「極めて低水準の金利局面が終了するという見通しが
得られれば、利上げを開始する時期だ」との認識を示した。